葬儀社の人手不足対策
求人だけが答えではない――省人化という選択肢
有効求人倍率7.59倍という深刻な人手不足の中、求人広告費を増やす以外にできることがあります。「業務そのものを、特定の人でなくてもできる状態に変える」省人化という選択肢について解説します。
結論:人手不足の解決策は、求人強化だけではありません。
葬儀社の人手不足対策というと、まず思い浮かぶのは求人広告の強化や採用条件の見直しです。しかし、求人を強化しても応募が集まらない、あるいは採用できても定着しないという壁に直面している事業者は少なくありません。もう一つ、見落とされがちな選択肢があります。それは、業務そのものを「特定の人でなくてもできる」状態に変える省人化投資です。求人という「入口」を強化するアプローチに対し、省人化は「今いる人員・採用できた人員の対応力」を底上げするアプローチであり、両者は対立するものではなく、組み合わせるべき打ち手です。
なぜ「求人強化」だけでは限界があるのか
厚生労働省の統計によれば、葬儀師・火葬係の有効求人倍率は7.59倍(令和6年12月時点)に達しており、全産業平均の1.35倍を大きく上回ります。葬儀件数はこの20年で8割近く増加している一方、業界の人手不足は深刻です。人手不足を理由に施行の依頼を断らざるを得ないケースも報告されています。
有効求人倍率の比較(令和6年12月時点)
有効求人倍率が7倍を超えるということは、単純に言えば「1人の求職者を7社以上が奪い合っている」状態です。この状況で求人広告費を増やしたり、採用条件を改善したりする努力は必要ですが、それだけで採用難を根本的に解決するのは構造的に難しいというのが実情です。
「省人化」というもう一つのアプローチ
求人の間口を広げることが難しいのであれば、残された現実的な打ち手は一つです。今いる人員、そしてこれから採用しうる人員が「対応できる業務範囲」を広げることです。
葬祭業の現場では、ご遺体の移乗・搬送作業が、力のある特定の熟練スタッフに頼らざるを得ない業務として残っていることが少なくありません。この「特定の人でなければできない」という属人性こそが、採用対象を狭め、人員配置の柔軟性を奪っている要因です。電動棺リフター「シルフィーリフト」のような補助機器は、この力仕事を機械化することで、新人・女性スタッフ・外注スタッフでも1人で安全に対応できる状態をつくります。これが、求人とは別軸の人手不足対策としての「省人化」です。
実際に、電動棺リフターを導入した神奈川県鎌倉市の小規模斎場「株式会社鎌倉庵」様は、代表の大村英二様がインタビューでこう語っています。
「女の子1人でもご遺体の移動ができるようになった」
株式会社鎌倉庵 代表取締役 大村英二様
特定のベテランスタッフに頼らずに済む体制は、採用対象を広げるだけでなく、シフトの柔軟性そのものを高めます(詳しくは「安置室ビジネスの収益化に電動棺リフターが欠かせない理由」をご覧ください)。
隣接業界(介護)でも同じ発想が標準になっている
「人を増やすのではなく、業務のやり方を変えて省人化する」という発想は、実は介護・看護分野では既に確立されています。厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」は、移乗介助等の場面でリフトやスライディングシート等の福祉用具を積極的に使用し、原則として人力による抱上げを行わせないことを明記しています。人手不足が深刻な介護分野で、設備投資による省人化が既に標準的な対策として位置づけられているという事実は、同じ課題を抱える葬祭業にとっても参考になる先例です。
補助金という後押しもあります
省人化のための設備投資には、活用できる公的支援制度もあります。経済産業省は「省力化投資促進プラン ―生活関連サービス業(冠婚葬祭業)―」を策定し、冠婚葬祭業における省力化投資を政策的に後押ししています。業務改善助成金や中小企業省力化投資補助金など、実際に活用できる制度も存在します。制度の詳細・対象要件は年度により変わるため、最新情報は「今使える補助金情報」(毎月更新)でご確認いただけます。電動棺リフターに関する業務改善助成金の活用については、専用のご案内ページでも詳しく解説しています。
省人化は、コスト削減だけでなく収益機会にもなる
省人化投資は「守り」の対策にとどまりません。属人的だった業務から人員が解放されれば、その時間と人員を、ご遺族へのアフターフォロー(お墓・仏壇・遺品整理等のご相談対応)に振り向けることができ、新たな収益機会にもつながります。この「省人化から収益化へ」という考え方を、具体的なシミュレーション付きで解説しているのが、「シルフィーリフトで実現する高収益葬祭ホール経営モデル」です。貴社の施行件数を入力すると、年間の利益創出額の目安をその場で試算できます。
まとめ
- 葬儀師・火葬係の有効求人倍率は7.59倍(令和6年12月)に達しており、求人強化だけで人手不足を解決するのは構造的に難しい
- 「業務そのものを特定の人でなくてもできる状態に変える」省人化投資は、求人強化と組み合わせるべきもう一つの人手不足対策
- 電動棺リフターのような補助機器は、力仕事を機械化することで、新人・女性スタッフ・外注スタッフでも1人で対応できる体制をつくる
- 介護分野では「人力による抱上げを行わせない」という省人化の発想が既に厚労省指針で標準化されており、葬祭業にとっても参考になる先例である
- 省力化投資促進プランや各種補助金など、公的な後押しの制度も存在する
- 省人化は守りのコスト削減にとどまらず、解放された人員をアフターフォローに振り向けることで新たな収益機会にもつながる
「省人化から収益化へ」――シルフィーリフト導入による高収益経営モデルを、収益シミュレーター付きで解説しています。
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